インプラントと矯正で奥歯の噛み合わせを改善した20代女性の症例|鎌倉ルクス歯科


- 主訴
- 前歯の黒いところが気になる。奥歯を治したい。
- 期間
- 2年6カ月
- 費用
- 495万円(税込み)
- 治療内容
- 本症例では、マウスピース矯正・部分的なワイヤー矯正・サイナスリフト・インプラント治療を組み合わせ、2年6か月をかけてお口全体の噛み合わせを整えました。
■1.保存が困難な歯の抜歯と仮の入れ歯の使用
破折や深いむし歯により保存が困難と判断した下顎左右の第二大臼歯(7番)と、上顎の保存困難な臼歯を抜歯しました。
上顎では、抜歯後の治癒や骨造成を待つ期間が必要となるため、最終的な被せ物が入るまで仮の入れ歯を使用しました。治療の進行に合わせて調整しながら、矯正治療を並行して進めました。
■2.マウスピース矯正による下顎臼歯の圧下
上の歯との噛み合わせを失って伸び出していた下顎の第一大臼歯(6番)に対し、マウスピース矯正による「圧下」を行いました。圧下とは、歯を歯根の方向へ移動させ、噛み合わせの高さを調整する方法です。
今回は、患者さんがマウスピース矯正を希望されたため、歯の移動と装置の適合を確認しながら治療を進めました。下顎臼歯の高さを調整することで、上顎のインプラントの被せ物を適切な形で装着するための空間を確保しました。
また、Ⅲ級の噛み合わせの関係を調整するため、上下の歯列の間にかける顎間ゴム(Ⅲ級ゴム)を併用しました。仮の入れ歯を使用する期間にも矯正治療を進められるよう、本症例の状態に合わせて治療を組み立てました。
■3.上顎両側のサイナスリフト
上顎の左右臼歯部では、インプラントを支える骨の高さが不足していたため、抜歯から約2か月後にサイナスリフトを行いました。
サイナスリフトは、上顎の奥歯の上方にある「上顎洞」の粘膜を持ち上げ、その下に骨を増やすための空間をつくる治療です。骨造成後は治癒期間を設け、インプラントを埋入できる状態になるまで待ちました。
この待機期間にも下顎臼歯の圧下や噛み合わせの調整を進め、骨造成と矯正治療を並行して行いました。
■4.上下顎に計6本のインプラントを埋入
サイナスリフト後の治癒を待ち、上顎の左右の第二小臼歯・第一大臼歯(5・6番)に計4本のインプラントを埋入しました。
上顎では、埋入後約2か月の治癒期間を経て骨との結合を確認し、被せ物を装着しました。また、抜歯した下顎左右の第二大臼歯(7番)にも各1本のインプラントを埋入しました。
最終的なインプラントの部位と本数は、上顎右側5・6番、上顎左側5・6番、下顎右側7番、下顎左側7番の合計6本です。
■5.部分的なワイヤー矯正による親知らずの活用
上顎の親知らず(8番)は、手前にある第二大臼歯(7番)の位置へ移動させ、噛み合わせに参加する奥歯として活用しました。
この移動はマウスピースだけでは難しいと判断し、部分的なワイヤー矯正を併用しました。ご自身の歯を活用することで、欠損部をすべてインプラントで補う場合に比べ、必要なインプラントの本数を減らしました。
■6.最終的な噛み合わせの調整
下顎臼歯の圧下、上顎の親知らずの移動、インプラントによる欠損部の補綴を組み合わせ、残っている歯と被せ物が調和するよう、最終的な噛み合わせを調整しました。
骨造成やインプラントの治癒を待つ期間も矯正に活用し、歯の位置と欠損部の治療を一体として進めたことが、本症例の特徴です。
※本症例は、鎌倉ルクス歯科・矯正歯科の院長 岡 矢人が前勤務先で担当した患者さんの治療経過です。治療方法・治療期間・結果は、お口の状態によって異なります。 - リスク
- 本症例では、矯正治療・抜歯・サイナスリフト・インプラント治療を行っており、以下のリスクや副作用があります。
【矯正治療】
歯の移動に伴う痛みや違和感、歯根吸収、歯肉退縮、むし歯・歯周病、治療後の後戻りなどが生じる場合があります。マウスピースや顎間ゴムの使用状況、歯の動き方によって、治療期間の延長や追加の装置・処置が必要になることがあります。
【抜歯・インプラント治療】
手術後の痛み、腫れ、出血、感染、周囲の歯や組織の損傷などが生じる場合があります。下顎では、神経損傷により唇や顎などの知覚異常が起こる可能性があります。インプラントと骨が十分に結合せず、再手術が必要になることもあります。治療後には、インプラント周囲炎、被せ物の破損・脱離、スクリューの緩みなどが起こる場合があります。
【サイナスリフト(上顎洞底挙上術)】
上顎洞粘膜の損傷・穿孔、上顎洞炎、感染、骨造成が十分に得られないなどのリスクがあります。治癒の状態によって、追加処置や治療計画の変更が必要になる場合があります。
【仮の入れ歯】
違和感、粘膜の痛みや傷、外れやすさ、破損などが生じる場合があります。
治療結果や治療期間には個人差があります。治療後は、矯正の後戻りを抑えるための保定装置の使用と、天然歯・インプラントを維持するための定期的なメンテナンスが必要です。

















