2026-05-05
前歯インプラントで失敗しないために CTG併用症例を解説|鎌倉・藤沢
こんにちは! 鎌倉ルクス歯科・矯正歯科 院長の岡です。 今回の症例も神戸で担当した症例を紹介します。
患者さんの中に、前歯を抜歯してインプラント治療を提案された際、
「見た目が不自然にならないか不安」と感じる方は多いのではないでしょうか。実際に僕も何度もセカンドオピニオンで対応したことがあります。その中でも多いのは、本当に抜かないといけないのか。本当に元通りになるのか?前よりきれいになるのか?などたくさんの意見を聞きました。正直に言うと、症例にはよりますが基本的には綺麗に治りますが、特に前歯は、歯だけでなく歯ぐきや口元全体のバランスが重要であり、
単にインプラントを入れるだけでは、自然な仕上がりにならないケースもあります。
今回は、抜歯と同時にインプラントを埋入(即時埋入)し、さらに歯ぐきのボリュームを維持する処置(CTG)を併用することで、審美的に良好な結果を得られた症例をご紹介します。
【症例概要】
主訴:前歯の違和感・前歯の出血と排膿・見た目の改善希望
診断:保存困難歯のため抜歯適応
治療方針:抜歯即時インプラント+軟組織・骨のボリュームコントロール
【術前・術後】
「歯だけでなく、歯ぐきや口元の自然さまで回復しています


【なぜこの治療を選択したのか】
前歯部のインプラント治療で最も重要なのは、
『歯ぐきの形とボリュームをいかに維持するか』です。
ここはとても大切なとこで、大体の失敗しているケースは歯肉のボリューム不足とインプラントのポジションが悪いことが多いように思います。
抜歯後は時間の経過とともに骨や歯ぐきが痩せていくため、
通常のインプラントでは歯ぐきが下がったり、不自然な形になるリスクがあります。
そのため本症例では、
- 抜歯と同時にインプラントを埋入することで組織の変化を最小限に抑える
- 歯ぐきの厚みを確保する処置を併用する
という戦略をとりました。
【治療前の設計(ワックスアップ・ガイド)】
前歯のインプラント治療では、「どこにインプラントを入れるか」で仕上がりの大部分が決まります。
神戸で勤務医していた時も、他院で入れたインプラントの位置が悪く、撤去することも多々ありました。
鎌倉ルクス歯科・矯正歯科でも、いきなり手術を行うのではなく、
最終的な歯の形を事前にシミュレーションする「ワックスアップ」を行い、
そこから逆算してインプラントの理想的な位置を決定しています。
さらに、CTデータと口腔内データを重ね合わせ、
設計通りに埋入するためのサージカルガイドを作製しています。
見た目は、手術前の設計でほぼ決まります。



実際の処置
まず、保存不可の歯の抜歯をおこないます

抜歯即時インプラント
→ 組織の変化を最小限に抑える

CTG
→ 歯ぐきの厚みを作る


骨補填
→ 将来的な痩せを防ぐ

【仮歯による形態コントロール(とても重要)】
インプラント治療では、歯を入れるだけでなく、
歯ぐきの形をどのように作るかが非常に重要です
本症例では、仮歯(プロビジョナル)を用いて、
歯ぐきのラインやボリュームを細かく調整しています。
歯ぐきの形は“仮歯で作る”と言っても過言ではないと僕自身、考えています。

治療後は約4ヶ月の治癒期間を経て、
歯ぐきの安定を確認しながら最終補綴へ移行しています。
また、仮歯の調整を繰り返すことで、
より自然な形態へと仕上げています。



【最終補綴】
「歯ぐきの厚み・形態・色調が自然に再現されています」

【審美的に良好な結果となったポイント】
本症例が良好な結果につながった理由は以下の通りです。 これらが達成されることで良好な結果を出せると思っています。
- 歯ぐきの厚みが確保されている
- 歯ぐきのラインが左右で自然に揃っている
- インプラント特有の違和感がない
- 口元全体として調和している
【よくあるご質問】
Q. 抜歯即時インプラントは安全ですか?
適切な診断と計画を行うことで、安全に行うことが可能です。
Q. CTGは必ず必要ですか?
前歯など審美性が求められる部位では、仕上がりに大きく影響することがあります。
歯科医師の技術力に依存しています。
Q. 痛みや腫れはありますか?
個人差はありますが、通常の外科処置と同程度で、適切な管理によりコントロール可能です。
【費用について】
本症例における治療費用は以下の通りです。
- インプラント治療:550,000円(税込)
- CTG(結合組織移植):55,000円(税込)
- 骨補填(人工骨):55,000円(税込)
合計:660,000円(税込)
本症例では、見た目の自然さと長期的な安定性を重視し、
歯ぐきの厚みを確保する処置(CTG)や骨のボリュームを維持する処置を併用しています。
【治療期間】
約4〜6ヶ月程度
(抜歯即時インプラント埋入 → 治癒期間 → 仮歯調整 → 最終補綴)
【リスク・副作用について】
インプラント治療には以下のようなリスク・副作用が伴う可能性があります。
- 術後の腫れ・痛み・出血
- 感染(インプラント周囲炎)
- 骨や歯ぐきの吸収
- 審美的な不満(歯ぐきの下がり・左右差など)
また、前歯部のインプラントでは、
歯ぐきや骨の状態によっては長期的に見た目が変化する可能性もあります。
そのため当院では、診断と設計を重視し、
リスクを最小限に抑える治療を行っています。
リスクをゼロにすることはできませんが、適切な診断と設計によりコントロールすることは可能です。